人の声は管楽器と同じしくみで鳴ります。肺から押し出された空気が声帯を振動させ、その音が喉・口・鼻・胸の空気に共鳴して大きくなります。空気の圧力が強弱を、声帯の調節が高低を決めます。
声には高いほうから頭声・中声・胸声という3つの区分があり、これを声区といいます。正しい発声では、声区の切り替わりをなめらかに行うことが大切とされます。
男声には、これとは別にファルセット(仮声・うら声)があります。ヨーデルなどで使われる出し方です。胸声のなかに地声を入れることもあります。
一人ひとりの声が出せる高さの範囲を声域といい、声域によって声種が分かれます。女声・男声とも3つずつ、あわせて6つです。
| 声種 | だいたいの音域 |
|---|---|
| ソプラノ | C4〜C6 |
| メゾソプラノ | A3〜A5 |
| アルト | F3〜F5 |
| テノール | C3〜C5 |
| バリトン | A2〜A4 |
| バス | E2〜E4 |
音名だけでは高さがつかみにくいので、譜面で見ておきましょう。基準になるのは中央のド(C4)——ト音譜表の下に加線1本を引いたところ、ヘ音譜表なら上に加線1本のところです。
表の音域は目安です。声域は人によって違い、訓練でも変わります。これより上下へ広く出せる人もいます。どの声種で歌うかは、出せる高さだけでなく無理なく響く高さで決まります。
声種は声域だけで決まるものでもありません。音色でも分かれるので、高い声の女性が必ずソプラノというわけではないのです。
同時に進む1本ずつの旋律の線を声部といいます。合唱では高い声部から順に上へ書きます。混声四部合唱なら上からソプラノ・アルト・テノール・バスで、上の2声を女声、下の2声を男声が受け持ちます。女声だけ、男声だけで4声に分けることもあります。
テノールの楽譜はト音記号で書かれることがありますが、実際の声は書かれた高さより1オクターブ低く鳴ります。記号の下に小さな8が添えられます。