Solfe

楽器と響き 3/4

音と倍音

音は振動のしかたで3つに分けられます。振り子のように単純な振動だけでできているものが純音、規則のある振動が続くものが楽音、規則を認めにくい振動によるものが噪音です。

種類振動
純音単振動だけ時報・音叉
楽音規則のある持続旋律を奏でる楽器の音
噪音規則を認めにくい打楽器・子音

音楽に使われるのは楽音と噪音のほとんどです。純音は楽器からほとんど出ません。ピアノや木琴は、打たれた瞬間に噪音を発し、その直後から弦や板の楽音が続きます。1つの音の中に両方があるのがふつうです。

楽音の性質は3つで決まります。高さ・強さ・音質です。

要素何で決まるか
高さ振動の速さ。1秒間の振動数をヘルツで表す
強さ振動のエネルギーと、空気への伝わりかた
音質振動の様相。おもに倍音の含まれかた

人の耳に聞こえるのは、低いほうの限界がおよそ16から20ヘルツ、高いほうが1万から2万ヘルツあたりまでです。これを可聴限界といいます。音楽で実際に使われるのはそのうちの一部で、88鍵のピアノの音域がおよそ30から4千ヘルツにあたります。強さは聞く人の側でも変わります——音源からの距離や向き、壁の吸収のしかたで、同じ演奏が違う大きさに聞こえます。

高さには基準が決まっています。第二次世界大戦のあと、ラ(イ/A4)を440ヘルツとすることが定められ、これを国際高度といいます。ただし今日の演奏会では442ヘルツが使われることが多く、こちらは演奏会高度と呼ばれます。

楽器を合わせるとき、オーケストラがオーボエの出すラにそろえるのはこのためです。同じ音でも団体や時代でわずかに高さが違い、古い時代の楽器ではさらに低い基準が使われます。

3つ目の音質が、この節の主題につながります。同じ高さの同じ強さで鳴らしても、ヴァイオリンとフルートは違って聞こえます。その違いを作っているのが倍音です

弦や管を鳴らすと、目的の高さの音と同時に、その整数倍の振動数の音が自然に生じます。もとの音を基音、それ以外を倍音といい、倍数にしたがって第2倍音・第3倍音…と呼びます。100ヘルツの音を出せば、200・300・400ヘルツも一緒に鳴っているということです。

Engraved by Verovio 6.1.0-682d606 1 2 3 4 5 6 7 8
基音をド(C2)としたときの基音から第8倍音。譜面の数字が第何倍音かで、1が基音です。オクターブ・完全5度・長3度の順に現れます。第7倍音は平均律のシ♭より約31セント低い音で、譜面は近い高さを借りて書いています。

倍音は一様には含まれません。楽器・音高・奏法によって、強く出る倍音と弱い倍音があります。人の耳はそれを直観的に総合して、基音の持つ音質として感じ分けています。

ピアノで低い音を強く弾いて静かに聞くと、いくつかの倍音が聞きとれます。基音とオクターブの関係にある第2・第4・第8倍音はよく協和するため、かえって聞きとりにくく、第3・第5・第7・第9倍音のほうが聞こえやすいものです。

倍音列の下のほうに現れる音ほど、基音とよく溶け合います。完全8度・完全5度・完全4度が協和音程と呼ばれるのは、この並びの順序と重なります。

金管楽器は、管の長さを変えずに唇の振動だけで倍音列の音を選び出せます。ラッパの信号がドとソとミでできているのはこのためです。

どの倍音が出るかは管のかたちでも変わります。両端が開いた開管楽器(フルートなど)はすべての倍音を含みますが、片方が閉じた閉管楽器(クラリネットなど)は奇数番目の倍音しか鳴りません。同じ木管でも音色が違うのはこのためです。

アプリで練習する

楽典8カテゴリの問題が解けます。無料で始められます。

App Store からダウンロード Google Play で手に入れよう