同じ部分をくり返すとき、書き直さずに済ませる記号があります。反復記号と略記号です。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| 反復記号(‖: :‖) | はさまれた部分を2回演奏する |
| 1番括弧・2番括弧 | くり返しの終わりだけを変える |
| D.C.(ダ・カーポ) | 曲の初めに戻る |
| D.S.(ダル・セーニョ) | セーニョの記号へ戻る |
| Fine | そこで曲を終わる |
| Coda(コーダ) | 終結部へ飛ぶ |
見つけかた
演奏順序を追うときは、小節に記号を振って書き出すと確実です。A・B・C・D と名前を付けます。
反復記号のあいだが C と D なら、演奏順はA・B・C・D・C・D になります。
1番括弧と2番括弧があるときは、1回目は1番括弧を通り、くり返して2回目は1番括弧を飛ばして2番括弧へ進みます。
例題
反復記号の終わりに1番括弧と2番括弧が置かれています。演奏の順序として正しいものはどれですか?
正解: 1回目は1番括弧、2回目は2番括弧を演奏する
1番括弧は1回目だけ、2番括弧は繰り返しの2回目に演奏します。3回以上繰り返す曲では「1.2.」のように複数回をまとめて示すこともあります。
反復記号は、楽譜を短くするための仕組みです。同じ32小節を2回書けば紙は倍になり、めくる回数も増える——印刷の都合から生まれた記法が、そのまま演奏の指示になっています。だから「どう演奏するか」ではなく「どの順に読むか」を言っているだけで、2回目を変えたいときは括弧で書き分けます。
D.C. と D.S. は、単独で書かれることより「どこまで戻ってどこで終わるか」を添えて書かれることのほうが多くあります。al Fine は「Fine まで」、al Coda は「Coda の記号まで」の意味です。
| 書きかた | 読みかた |
|---|---|
| D.C. al Fine | 曲頭へ戻り、Fine で終わる |
| D.S. al Fine | セーニョへ戻り、Fine で終わる |
| D.C. al Coda | 曲頭へ戻り、to Coda からコーダへ飛ぶ |
| D.S. al Coda | セーニョへ戻り、to Coda からコーダへ飛ぶ |
コーダのある曲をたどる
コーダのある曲では、記号が2か所に置かれます。戻ってきた道の途中に「to Coda(⊕へ)」、曲の終わりのほうに「Coda(⊕)」です。
1回目に通るときは to Coda を無視してそのまま進み、D.C. または D.S. で戻ります。
2回目に to Coda まで来たら、そこからコーダへ飛んで最後まで弾きます。
Fine と Coda は同時には使いません。Fine で終わる曲にはコーダが無く、コーダのある曲は最後まで弾いて終わります。楽譜に Fine があるかコーダがあるかで、終わりかたが決まります。
小節そのものをくり返す略記号もあります。斜線1本で「前の小節と同じ」、2本で「前の2小節と同じ」。打楽器や伴奏形の楽譜でよく使われ、数字を添えて何小節ぶんかを示すこともあります。
曲の最初から反復する場合、始まりの反復記号(‖:)は省略されます。終わりの記号(:‖)だけが書かれていたら、曲頭から繰り返します。
ヴィーデ(vi–de)は、途中を飛ばすための記号です。vi と de の2つに分かれて書かれ、vi から de へ跳びます。Coda への飛び先を示す記号(⊕)と同じはたらきですが、こちらは曲の途中を省くために使われます。