長音階は、全音と半音を「全・全・半・全・全・全・半」の順に積んだ8音の並びです。どの音から始めても、この並びさえ守れば長音階になります。逆にいえば、長音階を決めているのは始まりの音ではなく、音と音のへだたりの型のほうです。
半音が入る位置は覚えるより、鍵盤で見たほうが早く身に付きます。ミ–ファとシ–ドは、あいだに黒鍵がありません。五線の上ではどの隣どうしも同じ見た目なので、半音の位置は譜面を見ているだけでは分かりません。ここが鍵盤の出番です。
主音から各音までの音程で言い直すと、長音階は主音から順に完全1度・長2度・長3度・完全4度・完全5度・長6度・長7度・完全8度の並びになります。「長」が付く音程(2度・3度・6度・7度)が1つも欠けていないことが、この音階が「長」音階と呼ばれるゆえんです。
| 主音からの度数 | ハ長調では | 音程 |
|---|---|---|
| 第1音 | ド(ハ/C) | 完全1度 |
| 第2音 | レ(ニ/D) | 長2度 |
| 第3音 | ミ(ホ/E) | 長3度 |
| 第4音 | ファ(ヘ/F) | 完全4度 |
| 第5音 | ソ(ト/G) | 完全5度 |
| 第6音 | ラ(イ/A) | 長6度 |
| 第7音 | シ(ロ/B) | 長7度 |
| 第8音 | ド(ハ/C) | 完全8度 |
ソから長音階を作る
ほかの音から長音階を作ってみます。まずソ(ト/G)から幹音を順に8つ並べます。
Engraved by Verovio 6.1.0-682d606 並びを確かめると、第6〜7音(ミ–ファ)が半音、第7〜8音(ファ–ソ)が全音になっていて、「全・全・半・全・全・全・半」の型に合いません。半音が1つ早く来てしまっています。
Engraved by Verovio 6.1.0-682d606 第7音のファに♯を付けると、第6〜7音が全音・第7〜8音が半音になり型に揃います。これがト長調の長音階です。
Engraved by Verovio 6.1.0-682d606
例題
C(ハ)を主音とする長音階の第3音は?
正解: E
ハの長音階の第3音はEです。音階: C - D - E - F - G - A - B - C
♭が要る側も同じやりかたです。ファ(ヘ/F)から幹音を並べると、今度は第3〜4音(ラ–シ)が全音になってしまい、半音が1つ遅れます。第4音のシを半音下げてシ♭にすると型に揃い、ヘ長調の長音階になります。
音階は練習のための並びではなく、そのまま旋律になります。モーツァルトは、ハ長調の音階を上って下りるだけの音型で8小節を書いています。
幹音だけでできる長音階はハ長調だけです。ほかの音から始めるときは、型に合わせるための♯や♭が必ず要ります——その数を整理したものが調号です。