曲の速さは、1分間に何拍かで表します。♩=60 なら4分音符が1分間に60個——つまり1拍が1秒です。
見つけかた
演奏時間を求めるには、まず1拍の長さを出します。♩=120 なら、60を120で割って1拍は0.5秒です。
次に、全体の拍数を数えます。4分の4拍子で8小節なら、4×8で32拍です。
1拍の長さに拍数を掛けます。0.5秒×32で16秒です。
割り切れない数でも同じ式です。♩=72 なら60÷72で1拍は 0.8333… 秒——ここで丸めません。
4分の3拍子で24小節なら3×24で72拍。0.8333…×72 でちょうど60秒です。丸めてから掛けるとここが合いません。
例題
次の譜例を ♩=120 で演奏すると、何秒かかりますか?
正解: 3秒
譜例には4分音符が6個分入っています。♩=120 なので1つあたり0.5秒、合計で3秒かかります。
速さを指定する音符は4分音符とはかぎりません。♩.=50 と書かれていれば1分間に付点4分音符が50個、2分音符に=60 と書かれていれば2分音符が60個です。数えるのは書かれている音符で、拍子の下の数字ではありません。8分の6拍子に♩.=50 と書かれていれば、1小節がちょうど1拍ぶんになります。
♩=92 の前に M.M. と書かれていることがあります。Metronom Mälzel(メトロノームを実用化したメルツェルの名)の頭文字で、意味は♩=と同じです。最近は省いて書くのが普通になりました。
速さは数字のほかに、ことばでも指示されます。Andante や Allegro のような速度標語です。数字は正確ですが幅がなく、ことばは幅がある代わりに性格まで伝えます。両方が並べて書かれている楽譜も多く、その場合は数字が目安、ことばが本体と考えるのが実際に近いでしょう。
拍子が変わる曲の演奏時間は、区間ごとに分けて計算します。4/4で16小節、次に3/4で8小節なら、64拍と24拍を別々に出してから足す——拍子記号が変わったところが計算の切れ目です。速さが途中で変わる場合も同じで、速度標語の位置で区切ります。
下の数字が4以外のときは、1拍の長さの出し方に注意します。♩=120 と書かれていても拍子が8分の6なら、拍は付点4分音符——♩=120 は4分音符の速さを言っているので、1小節は4分音符2つぶんではなく3つぶんです。指定されている音符が何かを先に見ます。
拍の単位となる音符が曲の途中で変わっても、1拍の長さを前と同じに保つよう指示するのが L'istesso tempo です。「同じ速さで」という意味で、4分の2拍子から8分の6拍子へ移るときなどに使われます。