拍子には強い拍と弱い拍の並びがあります(→ 拍子の節)。その並びが期待させる位置を、意図的にずらすことをシンコペーション(切分法)といいます。弱拍の音を長く延ばしたり、強拍を休符にしたりして、拍の重心を移す——弱拍が強拍に変わったその音を切分音といいます。
シンコペーションの作り方は主に3つです。弱拍の音をタイで次の強拍へ延ばす、強拍を休符にする、弱拍に長い音符を置く。どれも「強拍に音の始まりが来ない」ようにしていて、聞き手が予想した重心が外れることでリズムに推進力が生まれます。
同じ作り方は、拍より細かい単位でも働きます。8分音符ひとつぶん前へずらすと、あとに続く4分音符はどれも拍の後半から始まり、次の拍の頭をまたいで伸びます。2拍目から4拍目まで、拍の頭に音の始まりが来ないので、重心がずれたまま進みます。
シンコペーションと弱起は別のことです。弱起は曲の始まりかたの話で、シンコペーションは曲の途中で拍の重心をずらす書き方——弱起で始まってシンコペーションを含まない曲も、強起で始まってシンコペーションだらけの曲もあります。
記号でシンコペーションを作ることもあります。弱拍の音にsf(スフォルツァート)や >(アクセント)を書いて、その音だけ強く弾かせる書き方です。音の長さは変えずに重心だけを移します。