ある調(主調)と関係の深い調を近親調といいます。よく問われるのは4つ——同じ調号の長短ペアが平行調、同じ主音の長短ペアが同主調、完全5度上の同種の調が属調、完全5度下が下属調です。
| 関係 | 定義 | 調号の差 |
|---|---|---|
| 平行調 | 同じ調号をもつ長調と短調 | 0 |
| 同主調 | 同じ主音をもつ長調と短調 | 3つ(長調側が♯寄り) |
| 属調 | 属音を主音とする同種の調 | ♯が1つ増える |
| 下属調 | 下属音を主音とする同種の調 | ♭が1つ増える |
平行調どうしは音の材料を共有しているので、曲の途中で行き来しても調号を書き換えずに済みます。長調の曲が途中で影を帯びるとき、たいていは平行短調へ寄っています。主音どうしは必ず短3度の関係です(長調の短3度下が平行短調)。
属調・下属調は「長調なら長調、短調なら短調」——種類は変わりません。転調の行き先としていちばん多いのが属調で、ソナタ形式の提示部が主調から属調へ移るのはその代表例です。調号が1つしか違わないので、耳にも自然に聞こえます。
ハ長調を主調にとると、近親調は5つ——平行調のイ短調、同主調のハ短調、属調のト長調、下属調のヘ長調、そして属調・下属調それぞれの平行調(ホ短調・ニ短調)まで含めることもあります。数え方に幅があるのは、「近い」の線引きが理論書によって違うためです。調号の差で数えるか、共有する音の数で数えるかの違いだと思っておけば十分でしょう。
近親調は「調号の差が1つ以内、または同主調」と覚えると早いでしょう。それより離れた調(遠隔調)へ移るときは、途中に近親調を挟むか、共通する和音を橋にするのが普通です。
例題
ハ長調の平行調は何ですか?
正解: イ短調(A minor)
ハ長調の平行調はイ短調です。平行調は同じ調号を持つ長調・短調の組です。