♯や♭の付いた音(派生音)を含む音程は、いきなり数えようとすると迷います。手順を決めておけば、どんな組み合わせでも同じやり方で答えが出ます。いったん変化記号を外して幹音で測り、そのあと変化記号のぶんを足し引きする——これだけです。
鍵になるのは、変化記号がどちらの音に付いているかです。低いほうの音が上がれば2音は近づき、高いほうの音が上がれば遠ざかります。下がるときはその逆です。向きさえ間違えなければ計算は簡単になります。
例として、ファ♯–ド(F♯–C)を測ってみます。
見つけかた
まず変化記号を外して幹音で測ります。ファ♯–ドから♯を外すとファ–ド(ヘ–ハ)で、これは完全5度です。
♯を戻します。下の音が半音上がるので、2音の隔たりは半音1つぶん狭くなります。
Engraved by Verovio 6.1.0-682d606 完全より半音狭い音程は減です。ファ♯–ド(F♯–C)は減5度です。
Engraved by Verovio 6.1.0-682d606 こんどは広がる例です。ド–ソ(C–G)も完全5度です。
Engraved by Verovio 6.1.0-682d606 上の音に♯が付くと、上へ半音広がります。
Engraved by Verovio 6.1.0-682d606 完全より半音広い音程は増です。ド–ソ♯(C–G♯)は増5度です。
Engraved by Verovio 6.1.0-682d606 両方の音に付くときは、広がる向きと狭まる向きを別々に見ます。ミ–シ(E–B)は完全5度です。
Engraved by Verovio 6.1.0-682d606 両方が同じ向きに同じだけ動くと、広がるぶんと狭まるぶんが打ち消し合い、幅は変わりません。ミ♭–シ♭(E♭–B♭)も完全5度のままです。
Engraved by Verovio 6.1.0-682d606
変化記号で変わるのは完全・長・短などの種類だけです。度数は最初に数えたまま動きません。ファ♯–ドがどれだけ狭くなっても、五線の上ではファとドの位置にあるので5度のままです。
同じ向きでも動く量が違うときは、差し引きします。たとえばシ♭–ファ♯なら、下の音が半音下がって広がり、上の音が半音上がってさらに広がるので、合わせて半音2つぶん広くなります。シ–ファの減5度から半音2つぶん広げるので、減5度→完全5度→増5度と1段ずつ動かして増5度です。
| 記号が付く音 | 記号の向き | 音程は |
|---|---|---|
| 低いほう | 上がる(♯) | 狭くなる |
| 低いほう | 下がる(♭) | 広くなる |
| 高いほう | 上がる(♯) | 広くなる |
| 高いほう | 下がる(♭) | 狭くなる |
両方に記号が付いていれば足し合わせ、その数だけ系列図の枠を動かします。重変化記号は2段ぶんです。
計算ではなく数えて確かめたいときは、鍵盤で半音を数えてから表(前の節)と突き合わせる手もあります。ただし半音の数だけでは増4度と減5度を区別できません。どちらも半音6つだからです。度数を先に決めておくのはそのためでもあります。