曲の速さは、数字(♩=120)のほかに、ことばでも指示されます。多くはイタリア語です。
| 標語 | 意味 | おおよその速さ |
|---|---|---|
| Largo | 幅広く緩やかに | ♩=40〜60 |
| Adagio | ゆるやかに | ♩=56〜76 |
| Andante | 歩くような速さで | ♩=76〜108 |
| Moderato | 中くらいの速さで | ♩=108〜120 |
| Allegro | 速く | ♩=120〜168 |
| Presto | 急速に | ♩=168〜200 |
曲の途中で速さを変えるときは、もとの速さと比べて指示します。più(より多く)と meno(より少なく)を標語の前に置く形です。
| 指示 | 意味 |
|---|---|
| più mosso | 今までより速く |
| meno mosso | 今までより遅く |
| accelerando(accel.) | だんだん速く |
| ritardando(rit.) | だんだん遅く |
| a tempo | もとの速さで |
| Tempo I(Tempo primo) | 最初の速さで |
標語は速さだけを言っているわけではありません。Andante は「歩くような」、Allegro はもともと「陽気な」という意味のことばで、速さの数字はあとから結び付けられたものです。だからメトロノームの範囲は目安にすぎず、同じ Allegro でも曲によって実際の速さはかなり違います。数字は本によって幅があり、そもそも数字をいっさい載せない楽典の本もあります。覚えるのは語と、その遅い・速いの並びです。
標語には修飾語が付くことがあります。molto(非常に)、assai(きわめて)、poco(少し)、un poco(やや)、non troppo(〜すぎないように)。Allegro non troppo なら「速すぎないアレグロ」です。ma non troppo の ma は「しかし」で、前の指示を打ち消しすぎない、という念押しになります。
più Lento は「遅さをより多く」——つまり今までより遅くなります。più が付いたら速くなる、と覚えると逆になる組み合わせがあるので、標語そのものの意味から考えます。
例題
「Largo」の意味は?
正解: 幅広くゆるやかに
Largoは「幅広くゆるやかに」という意味です。