音符は3つの部分でできています。たま(符頭)が高さを、ぼう(符尾)とはた(符鉤・旗)が長さを受け持ちます。たまは五線のどこに置かれたかで高さを表し、ぼうとはたは形と本数で長さを表す——この2つの役目が1つの記号に収まっているのが音符です。
音の長さは音符の形で表します。全音符を基準に、ぼうを付け、たまを塗り、はたを増やすたびに長さが半分になります。
| 音符 | 分けると |
|---|---|
| 全音符 | 2分音符+2分音符 |
| 2分音符 | 4分音符+4分音符 |
| 4分音符 | 8分音符+8分音符 |
| 8分音符 | 16分音符+16分音符 |
| 16分音符 | 32分音符+32分音符 |
| 32分音符 | はたが3本 |
1つ下の音符2つぶんで、上の音符1つぶんになります。
例題
次の楽譜で色をつけた音符の音価は何ですか?
正解: 2分音符
この音符は2分音符です。4分音符2つ分の長さです。
全音符だけはぼうを持たず、2分音符はたまが白いままぼうが付き、4分音符からたまが塗られる——長さの情報はたまの白黒・ぼうの有無・はたの数の3段階で表されています。
ぼうの向きにも決まりがあります。五線の第3線より下の音は上向き、上の音は下向きです。第3線ちょうどの音はどちらでもよいのですが、下向きに書くのが一般的です。向きが変わるのはぼうが五線からはみ出しすぎないようにするためで、読みやすさのための約束です。
はたを持つ音符(8分音符より短いもの)は、はたをつないで書くことができます。これが連桁です。向きは過半数の音符の位置で決まる——上にある音のほうが多ければ下向き、下にある音のほうが多ければ上向きになります。
2声を1つの五線に書くときは、上の声部を必ず上向き、下の声部を必ず下向きにします。ここでは第3線の規則より声部の区別が優先します。
休符も同じ体系で、全休符・2分休符・4分休符……と半分ずつに分かれます。音符と休符は1対1で対応しています。
全休符には、その拍子の1小節ぶんを丸ごと休む使い方もあります。3拍子の小節に全休符が1つ置かれていれば、4拍ではなく3拍を休みます。
休符を書く位置も決まっています。全休符は第4線の下にぶら下げ、2分休符は第3線の上に載せます。ぶら下がっているか載っているかだけが違いなので、形だけでなく位置と一緒に覚えます。
音符が並ぶときの間隔にも意味があります。長い音符ほど横に広く、短い音符ほど詰めて書く——目で見た幅が、そのまま時間の長さに対応するように組まれます。楽譜が読めるのは、高さを縦で、長さを横で表すこの二次元の約束があるからです。
この約束は段をまたいでも守られます。大譜表では、同時に鳴る音を上下の段でぴったり縦に揃えて書きます。右手と左手のどちらが先かは、縦の線を目で下ろせば分かる——ずれていたら、それは違う時刻の音です。