調号の無い旋律や、臨時記号の混ざった旋律が何調かを見きわめるのが調判定です。楽典書がそろって難所に挙げるところですが、手順そのものは決まっています。手がかりは臨時記号——旋律の中の派生音を拾い出し、調号に当てはめて調を絞り込みます。
見つけかた
旋律の中の派生音(♯や♭の付いた音)を拾い出します。この旋律ではファ♯とレ♯の2つです。
Engraved by Verovio 6.1.0-682d606 拾った♯を調号の順(ファ・ド・ソ・レ……)に当てはめます。ファ♯は先頭に収まりますが、レ♯は4番目——あいだのド♯・ソ♯を飛ばしており、調号の順からはみ出しています。
Engraved by Verovio 6.1.0-682d606 調号の順からはみ出した♯は、短調の導音と考えます。導音の短2度上が主音——レ♯の上のミです。実際、旋律もレ♯からミへ進んでいます。
Engraved by Verovio 6.1.0-682d606 答えはホ短調です。残ったファ♯はホ短調の調号(♯1つ)そのもの——すべての派生音のつじつまが合いました。
Engraved by Verovio 6.1.0-682d606
臨時記号が1つも無い旋律では、別の手がかりを使います。旋律の最初と最後の音、いちばん長く伸ばされる音、そして跳躍の行き先——これらは主音か属音であることが多いためです。ハ長調とイ短調のように調号が同じ2つを分けるときは、この終わりの音がほぼ決め手になります。
確かめの決め手——ある調のIII・IV・V・導音の4音を、すべて音階の中に共有する調はほかにありません。旋律の中でこの4音が確認できれば、その調以外ではありえないと言い切れます。
♯と♭が混ざっている旋律では、まず♭系の調から疑うのが早道です。短調の導音は♯や♮で書かれるため、♭系の短調でも♯側の臨時記号が現れるからです。