曲そのものにも、編成と作りによる呼び名があります。楽典で問われるのは、その名がどんな編成を指すかです。
| 楽曲 | 編成 |
|---|---|
| 交響曲 | 管弦楽。ふつう4楽章 |
| 協奏曲 | 独奏楽器と管弦楽 |
| 弦楽四重奏曲 | 第1・第2ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ |
声の入る大きな曲にも呼び名があります。舞台で演じるものがオペラ、演技を伴わない宗教的な題材のものがオラトリオ、死者のためのミサ曲がレクイエムです。
いくつかの曲を並べて1つの作品にしたものを組み形式といいます。いちばん古いのが舞曲を組み合わせた組曲で、バロック時代の古典組曲には決まった並びがありました。
| 舞曲 | 由来 |
|---|---|
| アルマンド | ドイツ |
| クラント | フランス |
| サラバンド | スペイン |
| ジグ | イギリス |
古典組曲は、まとまりを出すために全曲が同じ調で書かれます。アルマンドの前に前奏曲を置いたり、サラバンドとジグの間にほかの舞曲をはさんだりすることも多くあります。パルティータは組曲と同じ意味の語です。
これに対して近代組曲は、性格の違う曲を自由に組み合わせたものです。バレエ音楽や劇音楽から抜き出して組んだものが多く、はじめから組曲として書かれたものもあります。
古典派には、小さな管弦楽のための組み形式もありました。セレナード(小夜曲)です。古典組曲ほど舞曲にこだわらず、ソナタや交響曲より単純で自由な曲をいくつも並べます。モーツァルトに多いディベルティメント(嬉遊曲)も、ほぼ同じものと考えてかまいません。
19世紀には、詩や絵のような内容を音であらわそうとする曲が増えました。こうした曲を標題音楽といい、内容を持たない音楽そのものとしての曲を絶対音楽といいます。リストが始めた、管弦楽のための1楽章の標題音楽が交響詩です。
| 楽曲 | どんな曲か |
|---|---|
| 序曲 | オペラや組曲の初めに置く導入の器楽曲 |
| 前奏曲 | 導入の役割を持つ小曲。単独の小品にもなる |
| 間奏曲 | 劇やオペラの幕間に演奏される曲 |
| 練習曲 | 演奏技巧を身につけるための曲 |
| 狂詩曲 | 叙事的・民族的な色をもつ自由な曲 |
| 幻想曲 | 決まった形に縛られない自由な曲 |
| 舟歌 | 舟のゆれを思わせる伴奏をもつ曲 |
| 子守歌 | やさしく美しい旋律の曲 |
序曲には2つの型があります。緩やかに始めて速くなりまた緩やかに終わるのがフランスふう序曲、速く始めて緩やかになりまた速く終わるのがイタリアふう序曲です。古典派以降はソナタ形式による序曲が多くなりました。
狂詩曲はラプソディーとも呼ばれます。リストの〈ハンガリー狂詩曲〉やガーシュウィンの〈ラプソディ・イン・ブルー〉がよく知られています。