ある音の上に3度ずつ2つの音を積み重ねた和音を三和音といい、下から順に根音・第3音・第5音と呼びます。
なぜ3度ずつなのか。2度で積むと隣どうしがぶつかって濁り、4度や5度で積むと今度は広がりすぎて1つのまとまりに聞こえません。3度は、別々の音として聞き分けられる程度に離れていて、なお溶け合う——西洋音楽の和音がこの積み方に落ち着いたのは、耳がそう聞くからです。
積まれた3度が長3度か短3度かで、和音の性質が4通りに分かれます。3度が2つなので組み合わせは2×2の4通り——ちょうど過不足なく4種類になります。
| 種類 | 根音〜第3音 | 第3音〜第5音 | 根音〜第5音 |
|---|---|---|---|
| 長三和音 | 長3度 | 短3度 | 完全5度 |
| 短三和音 | 短3度 | 長3度 | 完全5度 |
| 減三和音 | 短3度 | 短3度 | 減5度 |
| 増三和音 | 長3度 | 長3度 | 増5度 |
見つけかた
与えられた音が根音とはかぎりません。「この音を第3音とする短三和音」と指定されたら、まず根音を探します。ここではミ(ホ)が与えられたとします。
Engraved by Verovio 6.1.0-682d606 短三和音の根音〜第3音は短3度です。与えられた音の短3度下が根音になります。ミの短3度下はド♯です。
Engraved by Verovio 6.1.0-682d606 根音が決まれば、あとは種類どおりに積むだけです。第5音は根音の完全5度上に置きます。ド♯・ミ・ソ♯の短三和音です。
Engraved by Verovio 6.1.0-682d606
例題
D(ニ)を根音とする「D - F - A」は何の和音ですか?
正解: 短三和音
Dを根音とするD - F - Aは短三和音です。長三和音=長3度+完全5度、短三和音=短3度+完全5度、増三和音=長3度+増5度、減三和音=短3度+減5度。
与えられた3音がどの三和音かを見分けるときは、根音と第5音の音程を先に見るのが早道です。完全5度なら長三和音か短三和音——あとは第3音が長3度か短3度かを見るだけです。減5度なら減三和音、増5度なら増三和音で、そこで確定します。
減三和音の根音と第5音は減5度です。シ–ファのように、幹音だけでできる減5度は見落としやすいので注意します。
実際の曲では、三和音は積んだ形のままとは限りません。次はショパンの夜想曲の冒頭です。左手は変ホ長調の主和音(E♭・G・B♭)を低い音から順に置いていて、3つの音が時間をずらして鳴らされています。積んでも並べても、使われている音は同じ三和音です。